下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)

 下部消化管内視鏡検査すなわち大腸内視鏡検査は、長いスコープで肛門から内視鏡を入れて直腸から結腸、盲腸まで観察するものです。大腸は曲がりくねっているので胃に比べ、挿入方法はすこし複雑ですが、小腸の手前まで挿入することが可能です。

 最近はスコープの硬度が手動可変になり、よりスムースな挿入ができるようになってきました。さらに、大腸内視鏡の鉗子口(かんしこう)を通じて様々な器具を用いることで、組織採取や、ポリープ切除などの処置も行えます。検査によって 大腸のポリープや癌、炎症の有無などを調べることが出来ます。

こんな方にオススメします!

以下の症状がひとつでもみられた際には大腸鏡検査を勧めます。

  • 便通の異常
  • 便に血液(鮮血あるいは黒色)が混ざっている
  • 下痢、便秘、あるいは残便感がある
  • 便が通常よりも細い
  • 全体的な腹部不快感(腸内ガスの頻発に伴う痛み、腹部膨満、腹部膨満感あるいは疼痛性痙攣)がある
  • 原因不明の体重減少
  • 慢性疲労
  • 嘔吐
  • 家族に大腸がんの既往歴がある方

腸の病気を防ぐポイント

  • 動物性脂肪やコレステロールをとり過ぎない
  • 食物繊維や乳酸菌を含んだ食品を食べる
  • 1日3食きちんと食べ、水分を十分とって便秘を防ぐ
  • 暴飲暴食を慎み、よく噛んで食べる
  • 禁煙が理想
  • 適度な運動や腹筋を鍛える体操をおこなう
  • ストレスの解消を図る
  • 年に一度は定期検診を受ける

大腸ポリープとは

 大腸ポリープとは大腸内部(内腔)にできるある種の腫瘍のことです。現代人の食生活に多い動物性たんぱく質や脂肪分、また食物繊維が少ないような食生活を続けているとポリープができやすいといわれています。

 大腸ポリープはほとんど自覚症状がないため、定期検診などの便潜血反応で陽性が出た際に、精密検査の内視鏡検査をして見つかる場合が多いです。しかしときには、ポリープがだんだん大きくなって大腸の内腔が狭くなってしまったために、便秘がちになる、血の混じった便が出る、といった自覚症状があらわれて発見されるケースもあります。

 ポリープの大半は良性ですが、なかにはガン化するものもあります。直径が1cmを超えると一部がガン化することが多いので、ポリープが見つかったら早めに内視鏡で切除することをおすすめします。ポリープを切除した後は、年に1回は内視鏡検診を受け、ポリープが再びできてないかどうか検査することをおすすめします。

 人間ドッグや定期検診などでガンを早期に発見できれば、手術をしないで内視鏡で病巣を切除することが可能で、治癒率も高くなっています。他のガンと同様、40歳を過ぎたら年に一度は手軽にできる便潜血検査による定期検診を受けることが大切です。

小腸・大腸の主な病気
虫垂炎
急性腸炎
過敏性腸症候群
クローン病
潰瘍性大腸炎
腸閉塞
大腸ポリープ
大腸ガン
ヘルニア
憩室炎
虚血性腸炎

ポリープをとった後の注意事項

ポリープをとった後は、傷跡になっています。従って、少しの刺激で再び出血する恐れがありますので、1週間ほど、飛行機に搭乗するなど気圧の大きな変化、飲酒、ゴルフ、水泳、ランニングなどのスポーツは禁止となります。

検査終了後しばらくは排泄時出血や、便が黒かったりすることがありますが、だんだんと出血の量が増えたりしなければご心配いりません。

抗凝固剤を服用されている方は、内服の再開については内視鏡医師および主医師とご相談ください。

まれに後出血することがあります。万が一その様な場合は、当院もしくは紹介元の医師の診察をただちに受けて下さい。

下部消化管内視鏡検査をお受けになられる方へ

現在服用しているお薬のある方は、念のため当日お薬をお持ちください。 血栓予防のお薬など、血液の凝固を抑える成分をもつお薬を内服されている方は、主治医と御相談の上、中止することが可能な方はあらかじめ中止なさってください。中止なされる期間については、主治医の指示に従ってください。

抗血栓凝固剤を服用されている方へ

【消化器内視鏡検査・治療時の抗凝固薬・抗血小板薬の取り扱い】※表をクリックで拡大PDF

検査前日
  • 朝、昼、夕は繊維質の少ない食事をおとり下さい。
      繊維質の少ないもの … おかゆ、パン、うどん、豆腐、白身魚など
      控えていただくもの … 海草、こんにゃく、種のある果物、野菜など
  • 過度の飲酒はお控えください
  • 午後9時までに夕食を済ませて下さい。水分は摂ってもかまいません。
  • 常用薬は通常どおり服用して下さい。(抗凝固剤を除く)
検査当日
  • 朝食はとらないでください。
  • 常用している朝の分のお薬は服用してかまいません。(但し、抗凝固剤を除く)
  • 検査が始まる約6時間前から下剤を服用していただきます。
  • 下剤の服用法の一例 (注)下剤は数種類あり、それぞれ服用方法が異なります。
  • 2リットルのペットボトルに下剤の素となるニフレック、ラキソベロン、水1.5~2リットルをいれよく振って溶かしてください。
  • 検査が始まる約6時間前から下剤を服用していただきます。
  • 2リットルのペットボトルに下剤の素となるニフレック、ラキソベロン、水1.5~2リットルをいれよく振って溶かしてください。
  • 下剤は排泄液に固形物が無くなるまで飲んでいただきます。服用のペースは1時間に半分を目安にしてください。
  • 下剤の服用中に気分が悪くなったり、吐き気がある場合は直ちに服用を中断し、残った下剤を持って早めに来院してください。
  • 検査予約時間の30分前までに来院していただきます。なお、前後の検査の都合で開始時間が多少ずれることがありますので、あらかじめご了承ください。
  • 受付終了後、検査着に着替えて頂きます。当院はディスポ-ザブルの検査着を使用しておりますのでご安心下さい。着替え終了後、問診を行います。
  • 検査直前に検査用の注射を行います。薬剤にアレルギーのある方や、糖尿病、心臓病、てんかんなどのご病気がある方は必ず申し出てください。
  • 順番になりましたら内視鏡室にご案内します。検査は通常20分ほどで終了いたします。医師、看護師の指示に従ってリラックスしてお受けしてください。
  • 検査終了後、必要な方には回復室をご用意していますので申し出てください。
  • 検査後、担当医師から検査結果、および今後の治療などについての説明があります。お急ぎの方や説明を後日に受けられたい方は事前に申し出てください。
  • 当日、ポリープ切除を行った場合、再出血の恐れがあるため1週間ほど激しい運動、飲酒、飛行機の搭乗を控えていただいておりますので、あらかじめご了承ください。
  • 検査に麻酔を使いますので、ご自分ではお車を運転しないでください。
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