MRI

 MRIは磁石と電波を使って体内の水素原子の反応量を調べています。スキャンで得られたデータはコンピューターで処理されて画像となり、体内をいろいろな断面から見ることができます。人体の大部分は水分やタンパク質、脂肪からなり、いずれも水素原子が含まれていて、MRIで画像にすることができるのです。また、血管や尿管、膵胆管等、造影剤を使わずに描出できるのも大きな強みです。

 当クリニックでは、スクリーニングやフォローアップといった患者さまが多いという状況に合わせて、低磁場タイプの静かなMRI装置を採用いたしました。検査中の騒音はかなり静かなので、快適に検査を受けることができます。しかも、頭部、脊椎、骨盤腔、後腹膜臓器、膝や肩など動きの少ない部位については高磁場装置と遜色ない検査が可能です。もちろん、そのほかの不意も充分な検査ができます。X線被ばくの心配も無いので、子宮や卵巣、前立腺などの検査も安心です。

こんな方にオススメします!

  • 頭痛がする
  • 高血圧である
  • めまいがする
  • 耳鳴りがする
  • 手足のしびれがある
  • 物忘れが激しい
  • 足がもつれる
  • 言語障害

当クリニックの装置はオープン型なので、閉所恐怖症の方も安心です。

MRI検査をお受けになられる方へ

 MRI検査は磁力を使って体の断層写真を撮る検査です。X線を使って同じように断層写真を撮るCT検査と違って、(1)放射線の被ばくがない。(2)横方向の断層だけでなく、縦、斜め方向の断層も撮影できる。(3)関節など骨の周辺も鮮明な画像が得られるなどのメリットがあります。デメリットとしては(1)撮影時間が長い。(2)磁性体(金属など)に弱いなどがあります。

検査をお受けになる時の注意点
  • MRI検査はひとつの撮影に5分から10分、全体で30~40分ほどかかります。
     途中で動いてしまうと良い画像がとれません。風邪などで咳がある場合、腰の痛みなどで長時間
     横になれない場合などは早めにご連絡ください。
  • ペースメーカーを使われている方は検査できません。
  • 手術で脳動脈クリップ、古いタイプの人工関節、ワイヤなどの金属類が体内にある方は検査が
     出来ないことがあります。担当者にご相談ください。
  • 磁力と電波を使うため金属類は持ち込めません。撮影画像に影響がある場合があります。
     また、まれに金属が発熱してやけどを起こす事が報告されています。
     →検査前には検査衣に着替えていただきますが、その際に金具のある下着や身に着けている貴金属は
      外して下さい。エレキバン、貼り付け式の針灸針なども必ずとってください。
     →化粧品(アイシャドウ、マスカラ)や整髪料に金属が含まれているものがありますので前もって
      控えて下さい。イレズミにも金属が含まれていることがあります。事前に医師や撮影の技師に
      申し出てください。特に注意して検査を進めてまいります。
  • MRI検査で使われる磁力は、ふつうの人では無害であることが確認されていますが、胎児への
     影響は確認されていませんので原則として妊娠中の方は検査できません。
  • 腹部(肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓)の検査を受けられる方は直前の食事は摂らないで、
     水分も控えめにしてください。

予約日時に受診できない場合は早めにご連絡ください。

CT・MRI検査の部位別適応比較

各画像検査の診断目的適応を記載しましたので、ご依頼の参考にして下さい。

部位 病変・診断目的 CT MRI 適応
頭部 脳梗塞 急性期はMRI
脳出血・クモ膜下出血 急性期はCT、亜急性期以降の原因検索はMRI
腫瘍 進展範囲の評価はMRI
炎症・変性疾患 質的診断はMRIが第一適応
外傷 急性期、骨折の診断はCT、亜急性期はMRI
血管病変(動脈瘤) スクリーニングはMRA(注1)。精査にはCTA(注2)
脊椎 椎間板ヘルニア
外傷・骨折 脊椎、脊髄領域はMRIが第一適応
脊髄 腫瘍・炎症・変性
頚部 腫瘍・炎症 リンパ節転移の検索はCT、局所精査はMRI
甲状腺・副甲状腺 形態の評価には超音波も有効
肺癌・肺炎 肺野病変の診断はCTが第一適応
間質性肺炎 スクリーニングはCT、精査はMRI
縦隔 縦隔腫瘍 腫瘍はMRI (機能、形態の評価は心エコーも有効)
肺塞栓 大動脈瘤、ASOの評価はMRA(注1)精査はCTA(注2)
心臓 心臓 腫瘍はCT,MRI 胆管、膵管の評価はMRCP(注3)
血管 血管病変 腫瘍はCT,MRI 結石はCT
腹部 肝臓・胆嚢・膵臓 腫瘍、急性腹症はCT
腎臓 腫瘍の良悪性の評価はMRI
腸管 婦人科病変の評価はMRIが第一適応
副腎 膀胱癌の進展評価はMRIが第一適応
骨盤 子宮・卵巣 局所の精査はMRI
膀胱 関節(靭帯など)の評価はMRIが第一適応
前立腺 軟部腫瘍の進展範囲、質的診断はMRI
関節 骨腫瘍、骨髄の精査はMRI
関節 軟部組織
軟部 骨腫瘍

注1:造影剤を使用しないで血管を描出
注2:造影剤を用いCT撮影し、血管病変を描出
注3:MRIを用いた造影剤を使用しない胆道造影

ページの先頭へ